健康診断で「血糖値が高め」「尿糖が出ています」と指摘された、あるいは、最近になって「異常に喉が渇く」「トイレが近い」「急に体重が減った」といった、気になる症状がある。このような時、「もしかして糖尿病かもしれない」と不安に思い、専門的な検査を受けることを考えるでしょう。その際、多くの人が最初に直面するのが、「一体、何科を受診すればよいのだろう?」という疑問です。結論から言うと、糖尿病の診断と治療を専門的に行う診療科は、「糖尿病内科」「内分泌内科」、あるいは「代謝内科」です。これらの科は、糖尿病の原因であるインスリンというホルモンの異常や、糖代謝のメカニズムを専門的に扱うエキスパートです。しかし、全ての病院にこれらの専門科が設置されているわけではありません。そのような場合は、まず、最も身近な医療の窓口である「一般内科」を受診することで、全く問題ありません。内科医は、糖尿病を含む、幅広い内科系疾患の初期診断と治療を行うことができます。健康診断の結果や、自覚症状を伝えれば、内科で基本的な血液検査や尿検査を行い、糖尿病の診断基準に照らし合わせて、糖尿病であるか、あるいはその一歩手前の予備群(境界型)であるかを判断してくれます。そして、診断が確定した後の治療方針も、かかりつけの内科医と相談しながら進めていくことが可能です。ただし、血糖値が非常に高い場合や、すでに合併症が進行している可能性がある場合、あるいはインスリン注射の導入が必要となるようなケースでは、内科医から、より専門的な治療が可能な糖尿病専門医のいる病院やクリニックへ、紹介されることもあります。まずは、一人で不安を抱え込まず、健康診断の結果票を持って、近隣の内科、あるいは専門科の扉を叩くこと。それが、糖尿病の早期発見と、適切な管理への最も重要な第一歩となるのです。