-
ピンセット除去後の正しいアフターケア、再発を防ぐために
医療機関で、水いぼをピンセットで除去してもらった後、治療はそれで終わりではありません。処置後の適切なアフターケアを行うことが、傷をきれいに治し、感染を防ぎ、そして何よりも再発を最小限に抑えるために非常に重要です。医師や看護師から具体的な指示がありますが、家庭でできるケアの基本を理解しておきましょう。まず、処置直後のケアです。水いぼを取った後は、点状の小さな出血が見られます。通常は、医療機関で圧迫止血を行い、小さな絆創膏やガーゼで保護してくれます。出血が滲んでくることもありますが、ほとんどは数分で自然に止まります。帰宅後も、出血が続くようなら、清潔なガーゼで再度数分間、優しく圧迫してください。次に、「入浴」についてです。処置当日の入浴は、医師の指示に従うのが基本ですが、一般的には、シャワー浴であれば問題ないとされることが多いです。ただし、湯船に長く浸かると、傷口がふやけて、細菌が侵入しやすくなる可能性があるため、処置当日は避けるか、短時間で済ませるのが無難です。体を洗う際は、傷口をゴシゴシこすらず、石鹸をよく泡立てて、優しくなでるように洗い、シャワーで十分に洗い流してください。入浴後は、清潔なタオルで、そっと押さえるように水分を拭き取ります。そして、「傷口の保護」です。処置後、数日間は、傷口から浸出液が出たり、細菌感染を起こしたりするのを防ぐために、絆創膏やガーゼで保護します。毎日、お風呂上がりに新しいものに貼り替え、傷口が乾き、かさぶたになるまで続けましょう。もし、傷の周りが赤く腫れてきたり、痛みが強くなったり、膿が出たりした場合は、感染を起こしている可能性があるため、速やかに処置を受けた医療機関を再受診してください。最後に、最も重要なのが「再発予防のためのスキンケア」です。水いぼウイルスは、乾燥してバリア機能が低下した皮膚に感染しやすいという特徴があります。したがって、水いぼができていた周辺だけでなく、全身の皮膚を、保湿剤(ヘパリン類似物質やワセリンなど)で、毎日しっかりと保湿することが、新たな水いぼの発生を防ぐための、最も効果的な予防策となります。掻き壊しを防ぐため、爪を短く切っておくことも大切です。
-
熱が下がらない時の家庭でのケアと注意点
マイコプラズマ感染症で、熱がなかなか下がらずに苦しんでいる時、医療機関での治療と並行して、家庭での適切なケアを行うことが、子どもの体力の消耗を防ぎ、回復をサポートする上で非常に重要になります。高熱が続いている時に、家庭でできるケアのポイントと、注意すべき点について解説します。まず、最も重要なのが「水分補給」です。発熱している体は、汗や速い呼吸によって、普段以上に水分を失っています。脱水症状は、体力を著しく奪い、回復を遅らせる最大の敵です。水やお茶、麦茶、あるいは電解質も補給できるイオン飲料や経口補水液などを、本人が欲しがる時に、欲しがるだけ与えましょう。一度にたくさん飲ませるのではなく、少量ずつ、こまめに飲ませるのがコツです。次に、「安静と睡眠」です。熱が高い時は、体がウイルスや細菌と全力で戦っている状態です。体力を温存するために、無理に活動させず、静かな環境でゆっくりと休ませてあげましょう。子どもが眠りやすいように、部屋を暗くしたり、好きな音楽をかけたりする工夫も良いでしょう。そして、「クーリング(体を冷やすこと)」です。高熱で子どもが辛そうにしている場合は、体を冷やしてあげることで、不快感を和らげることができます。太い血管が通っている、首の周りや、脇の下、足の付け根などを、冷たい水で濡らしたタオルや、タオルで包んだ保冷剤で冷やすのが効果的です。ただし、子どもが寒がって震えている時(悪寒戦慄)は、これから熱が上がろうとしているサインなので、冷やすのではなく、むしろ毛布などで温めてあげてください。服装は、熱が上がりきって汗をかき始めたら、熱がこもらないように、薄着で、吸湿性の良い素材のものに着替えさせましょう。食事は、熱が高い時は、食欲がないのが当たり前です。無理に食べさせる必要はありません。水分補給を最優先し、本人が食べたがるようであれば、ゼリーやプリン、アイスクリーム、スープ、おかゆなど、消化が良く、喉ごしの良いものを与えましょう。注意点として、市販の解熱剤の使用については、必ず医師の指示に従ってください。特に、インフルエンザなど他の感染症との鑑別がついていない段階で、自己判断で特定の解熱剤(アスピリンなど)を使用すると、ライ症候群という重篤な合併症を引き起こす危険性があります。
-
水疱瘡の治療法と家庭での正しいケア
水疱瘡と診断された場合、その治療と家庭でのケアは、つらい症状を和らげ、合併症や傷跡を防ぐために、非常に重要となります。水疱瘡の原因はウイルスであるため、細菌感染症のように抗生物質は効きません。治療は、基本的に対症療法が中心となりますが、特定の条件下では抗ウイルス薬も用いられます。医療機関では、まず、最もつらい症状である「かゆみ」を抑えるための薬が処方されます。飲み薬としては「抗ヒスタミン薬」が、塗り薬としては、炎症を抑え、かゆみを和らげる「カチリ(フェノール・亜鉛華リニメント)」や、非ステロイド系の軟膏などが用いられます。細菌による二次感染を防ぐために、抗生物質入りの軟膏が処方されることもあります。そして、重症化のリスクが高い場合(アトピー性皮膚炎を持つ患者、ステロイド治療中など)、あるいは12歳以上の年長児や大人が発症した場合には、ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬(アシクロビルなど)」の内服薬が処方されます。この薬は、発症後早期に(できれば24~48時間以内に)開始することで、発疹の数や発熱期間を短縮し、合併症のリスクを軽減する効果が期待できます。治療の主役となるのは、病院での薬物療法以上に、家庭での適切なケアです。まず、何よりも大切なのが、水疱を「掻き壊さない」ことです。子どもの爪は短く切り、清潔に保ちましょう。ミトンなどを着けるのも有効です。かゆみが強い時は、冷たいタオルで患部を優しく冷やすと、一時的にかゆみが和らぎます。入浴は、高熱がなく、本人が元気であれば、シャワー浴は可能です。石鹸をよく泡立てて、手のひらで優しく体を洗い、シャワーで汗や汚れを洗い流すことで、皮膚を清潔に保ち、細菌の二次感染を防ぎます。ただし、湯船に長く浸かると、体温が上がってかゆみが強くなったり、水疱がふやけて破れやすくなったりするため、避けるのが無難です。食事は、口の中に発疹ができている場合は、しみにくい、喉ごしの良いもの(ゼリー、プリン、冷たいスープなど)が良いでしょう。水分補給は、脱水を防ぐために非常に重要です。