水疱瘡は、非常に感染力が強い病気であるため、発症した場合、他の人にうつさないように、学校や保育園、幼稚園を休む必要があります。保護者にとって、最も気になるのが、「いつまで休みが必要で、いつから登園・登校を再開できるのか」という点でしょう。この基準は、学校保健安全法という法律で明確に定められています。学校保健安全法では、水疱瘡は「第2種感染症」に分類されており、その出席停止期間は、「すべての発しんが痂皮(かひ)化するまで」と規定されています。これを、分かりやすく解説しましょう。水疱瘡の発疹は、「赤いブツブツ(紅斑)」から「水ぶくれ(水疱)」、「膿を持つ(膿疱)」、そして「かさぶた(痂皮)」という順で変化していきます。新しい発疹は、発症から3~5日目頃まで次々と出現し続けます。つまり、「すべての発しんが痂皮化する」とは、「新しい発疹がもう出てこなくなり、今ある全ての発疹が、水ぶくれの状態ではなく、乾燥したかさぶたの状態になる」ことを意味します。この状態になれば、かさぶたの中にウイルスはいますが、外部に排出されることはなくなり、他者への感染力はなくなったと判断されるのです。一般的に、この状態になるまでには、発疹が出始めてから、おおよそ5日から7日間程度かかります。したがって、出席停止期間は、個人差はありますが、1週間程度が目安となります。登園・登校を再開する際には、自己判断ではなく、必ず一度、かかりつけの小児科医の診察を受けてください。医師が、全ての発疹がかさぶたになったことを確認し、「もう集団生活に戻っても良い」と判断して初めて、登園・登校が可能となります。多くの園や学校では、再開時に、医師が記入した「治癒証明書」や「登園許可書」の提出を求められます。また、水疱瘡の感染力が最も強いのは、発疹が出現する1~2日前から、全ての発疹がかさぶたになるまでの期間です。特に、まだ発疹が出ていない潜伏期間の終わり頃から、すでにウイルスを排出しているため、知らず知らずのうちに、集団内で感染が広がってしまうことが多いのです。