赤ちゃんの「初めての発熱」の原因として、最も多いとされる「突発性発疹」。ある日突然、38度を超える高熱が出るため、多くの新米パパ・ママは、パニックに陥ってしまうかもしれません。「すぐに病院へ連れて行くべきか?」「夜間救急に駆け込むべきか?」と、判断に迷うのは当然のことです。ここでは、突発性発疹が疑われる際の、適切な受診のタイミングと、診療科について解説します。まず、受診すべき診療科は、赤ちゃんと子どもの病気の専門家である、かかりつけの「小児科」です。小児科医は、突発性発疹の典型的な経過を熟知しており、他の似たような症状を示す病気(インフルエンザ、アデノウイルス感染症、川崎病など)との鑑別を、的確に行うことができます。次に、最も悩ましい「受診のタイミング」です。結論から言うと、突発性発疹が強く疑われる場合、必ずしも夜間や休日に、慌てて救急外来を受診する必要はありません。なぜなら、突発性発疹は、基本的に予後が良好なウイルス性疾患であり、特効薬もなく、治療は症状を和らげる対症療法が中心となるからです。受診の最も適切なタイミングは、「日中の診療時間内」です。ただし、これは、赤ちゃんの全身状態が良い、ということが大前提となります。具体的には、高熱はあっても、①機嫌がそれほど悪くなく、あやすと笑う、②母乳やミルク、水分を、いつも通りとはいかなくても、ある程度は飲めている、③顔色が悪くない、といった状態であれば、まずは家庭で水分補給やクーリングなどのケアをしながら、翌日の日中の診療時間にかかりつけ医を受診するので十分です。一方で、月齢が低い(特に生後3ヶ月未満の)赤ちゃんの発熱や、「ぐったりしていて活気がない」「水分を全く受け付けない」「けいれんを起こした」といった、危険なサインが見られる場合は、話は別です。この場合は、突発性発疹以外の、重篤な病気の可能性も考える必要があるため、夜間や休日であっても、ためらわずに救急病院を受診する必要があります。
突発性発疹で病院へ、受診のタイミングと診療科