蕁麻疹と発熱という、不快な症状に同時に見舞われた時、私たちは一体どのように対処すれば良いのでしょうか。その対処法は、原因によって異なりますが、医療機関を受診するまでの間、あるいは受診後のセルフケアとして、症状を和らげ、悪化を防ぐために、私たち自身ができることがいくつかあります。まず、原因として最も考えられるのが、ウイルスや細菌による「感染症」です。この場合は、蕁麻疹そのものよりも、原因となっている感染症自体の治療が優先されます。安静にして、十分な水分と栄養を摂り、体を休めることが基本です。医師から処方された、抗ウイルス薬や抗生物質があれば、それをきちんと服用しましょう。蕁麻疹のかゆみに対しては、濡れたタオルや、保冷剤をタオルで包んだもので、患部を「冷やす」ことが有効です。血行が良くなるとかゆみが増すため、熱いお風呂や、アルコールの摂取、激しい運動は避けるべきです。次に、「薬剤アレルギー(薬疹)」が疑われる場合です。特定の薬を飲み始めてから症状が出た場合は、直ちにその薬の服用を中止し、処方した医師や薬剤師に連絡してください。そして、どの薬で症状が出たのかを、必ず記録しておきましょう(お薬手帳など)。今後の治療において、非常に重要な情報となります。自己判断で、市販のかゆみ止めなどを安易に服用するのは、症状を複雑にする可能性があるため、避けるべきです。そして、「食物アレルギー」などが原因で、アナフィラキシーの初期症状として蕁麻疹と発熱が現れている場合は、自己対処の領域を超えています。直ちに救急車を呼ぶか、医療機関を受診してください。原因が何であれ、共通して重要なセルフケアは、「掻かない」ことです。かゆいからといって患部を掻きむしると、皮膚が傷つき、そこから細菌が入り込んで二次感染を起こしたり(とびひ)、症状が全身に広がってしまったりする可能性があります。どうしてもかゆみが我慢できない場合は、掻くのではなく、冷やすことで対処しましょう。また、締め付けの強い衣類や、化学繊維の肌着は、皮膚への刺激となるため、ゆったりとした、綿素材などの柔らかい衣類を着用するのも、症状の緩和に繋がります。しかし、これらはあくまで対症療法です。最も重要なのは、速やかに医師の診断を仰ぎ、原因に基づいた、正しい治療を受けることなのです。
蕁麻疹と熱!考えられる原因と対処法