あれは、当時4歳だった娘の膝の裏に、キラリと光る小さなブツブツを一つ見つけたのが始まりでした。最初はただの湿疹かと思っていたのですが、数週間経つと、その周りに同じようなブツブツがポツポツと増え始めました。「これはおかしい」と、近所の皮膚科を受診したところ、あっさりと「水いぼですね」と診断されました。医師からは、「自然に治るのを待つ方法もありますが、スイミングに通っているなら、取った方が良いでしょう。麻酔のテープを使えば、痛みはかなり抑えられますよ」と説明され、私たちはピンセットでの除去をお願いすることにしました。処置の予約日の一週間前、麻酔薬である「ペンレステープ」が処方されました。そして当日、予約時間の1時間半前に、指示通り、10個ほどの水いぼ全てに、テープを小さく切って貼り、その上から防水フィルムでしっかりと覆いました。病院の待合室で待っている間、私の心臓はバクバクでした。娘が痛みで泣き叫ぶのではないか、トラウマになってしまうのではないか。しかし、診察室に呼ばれ、いざ処置が始まると、私の心配は杞憂に終わりました。看護師さんが娘の気をそらしながら、医師が手際よく、一つ、また一つと、ピンセットで水いぼをつまみ取っていきます。娘は、少し眉をひそめ、「なんかチクっとする」とは言いましたが、泣くことはおろか、ほとんど痛がるそぶりを見せませんでした。麻酔テープの効果は絶大でした。処置は10分もかからずに終了し、取った後の小さな傷口には、抗生物質入りの軟膏を塗って、絆創膏を貼ってもらいました。その日の夜、お風呂に入る時に絆創膏を剥がすと、小さな点状の傷があるだけで、痛みも全くない様子でした。数日後には、その傷もすっかりきれいになり、あれほど心配していた水いぼは、きれいに消え去っていました。もちろん、子どもの性格や水いぼの数によっては、もっと大変なケースもあるでしょう。しかし、麻酔テープという強力な味方があれば、ピンセットでの除去は、決して乗り越えられない治療ではない。それが、私の率直な体験談です。