子どもが突然の高熱を出し、突発性発疹を疑って小児科を受診した場合、病院ではどのような診察や検査が行われるのでしょうか。その流れを知っておくことで、保護者の方も、落ち着いて診察に臨むことができます。突発性発疹の診断は、実は非常に特徴的で、ある意味で「後から振り返って、初めて確定診断がつく」病気と言えます。まず、医師は「問診」から始めます。いつから、どのくらいの熱が出ているか、熱以外の症状(咳、鼻水、下痢など)はないか、機嫌や食欲、水分摂取の状況、そして、周囲での感染症の流行状況などを、保護者から詳しく聞き取ります。特に、「今回が初めての発熱ですか?」という質問は、突発性発疹を疑う上で、重要なポイントとなります。次に、「身体診察」です。医師は、聴診器で胸の音や心臓の音を聞き、喉が赤くなっていないか、リンパ節が腫れていないかなど、全身の状態を注意深く診察します。この段階では、まだ発疹が出ていないため、突発性発疹と確定診断することはできません。高熱の原因が、他に隠れていないか、例えば、中耳炎や尿路感染症といった、細菌感染症の可能性を除外することが、この時点での診察の主な目的となります。そのため、必要に応じて、「血液検査」や「尿検査」が行われることもあります。血液検査では、白血球の数やCRP(炎症反応の指標)などを調べます。突発性発疹では、ウイルス感染症に特徴的な、白血球数の減少が見られることがありますが、これも確定的な所見ではありません。結局のところ、突発性発疹の最終的な診断は、その典型的な「臨床経過」によって下されます。すなわち、「3~4日間続いた高熱が、解熱すると同時に、体に発疹が出現する」という、特徴的なパターンが確認できて、初めて、「やはり突発性発疹でしたね」と、確定診断がつくのです。そのため、最初の受診時には、医師から「おそらく突発性発疹の可能性が高いですが、熱が下がって、発疹が出てくるまでは、断定はできません。熱が下がって発疹が出たら、また見せに来てください」というように、説明されることがほとんどです。