麦粒腫ができてしまった時、眼科での治療と並行して、家庭でのセルフケアを適切に行うことで、回復を早め、悪化を防ぐことができます。逆に、間違ったケアは、症状を長引かせる原因にもなり得ます。ここでは、麦粒腫を早く治すために、家庭でできること、そして絶対にやってはいけないことを解説します。【早く治すためのセルフケア】①とにかく清潔を保つ: これが最も重要です。汚れた手で、絶対に目を触ったり、こすったりしないでください。点眼薬や眼軟膏を使用する前には、必ず石鹸で手を洗い、清潔な状態で行いましょう。目やにが出ている場合は、清潔なガーゼやコットンで、優しく拭き取ります。②十分な休養と睡眠をとる: 麦粒腫は、体が疲れて、免疫力が低下しているサインです。夜更かしは避け、ゆっくりと体を休ませることが、回復への一番の近道です。③バランスの取れた食事を摂る: 免疫機能を正常に保つために、ビタミンやミネラルを豊富に含む、バランスの取れた食事を心がけましょう。④コンタクトレンズとアイメイクは中止する: コンタクトレンズの装用は、目に負担をかけ、細菌の温床にもなり得ます。治癒するまでは、眼鏡を使用してください。また、アイライナーやマスカラ、アイシャドウといったアイメイクも、症状を悪化させたり、治りを遅らせたりする原因となるため、完全に中止しましょう。【絶対にやってはいけないNG行動】①自分で膿を潰して出そうとする: これが、最も危険で、やってはいけないことです。膿を無理に押し出そうとすると、細菌が、まぶたの奥深くにある、眼窩(がんか)という組織にまで広がり、「眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)」という、失明の危険性もある、非常に重篤な状態を引き起こす可能性があります。絶対にやめてください。②眼帯を長時間使用する: 見た目を気にして眼帯をしたくなるかもしれませんが、長時間の使用は推奨されません。眼帯の中は、高温多湿になり、細菌が増殖しやすい環境を作ってしまいます。また、分泌物(目やに)の排出を妨げ、かえって治りを悪くすることがあります。③アルコールの摂取: アルコールは、血管を拡張させ、炎症を助長する作用があります。痛みや腫れがひどくなる可能性があるため、症状が落ち着くまでは、飲酒は控えましょう。