ある日の夜、お風呂上がりに鏡を見て、私は自分の胴体にうっすらとした赤い斑点が広がっていることに気づきました。最初は新しい洗濯洗剤によるかぶれか、あるいは季節の変わり目による蕁麻疹だろうと軽く考えていました。痒みも痛みも全くなかったため、数日もすれば自然に消えるだろうと高を括っていたのです。しかし、一週間が過ぎてもその発疹は消えるどころか、次第に手のひらや足の裏にも現れ始めました。流石に不安になり、インターネットで症状を検索してみると、バラ疹という言葉とともに梅毒の文字が目に飛び込んできました。まさか自分が、という強い衝撃と、得体の知れない恐怖が全身を駆け抜けたのを覚えています。数ヶ月前に一度だけあった新しい出会いが頭をよぎりましたが、その時は相手も健康そうに見えましたし、自分にそんなことが起きるとは夢にも思っていませんでした。翌日、震える手でスマートフォンの画面を操作し、人目を避けるようにして性病科の予約を取りました。診察室で医師に症状を見せると、先生は落ち着いた声で「典型的な梅毒の症状ですね」と仰いました。血液検査の結果を待つ一週間は、これまでの人生で最も長く、重苦しい時間でした。自分が重大な過ちを犯したような、社会から切り離されたような孤独感に苛まれました。結果はやはり陽性。診断が確定した瞬間、ショックよりもむしろ、正体が分かったことへの安堵感の方が強かったのを覚えています。治療として処方されたのは、長期間作用する筋肉注射でした。一度の注射で済むタイプのものでしたが、先生からは「今の医学なら必ず治りますから安心してください」と言われ、涙が出そうになりました。治療を開始してから数週間後、あんなに不気味に広がっていた赤い発疹は、魔法のように薄くなり、最後には跡形もなく消え去りました。今回の経験で痛感したのは、性病は決して過去の病気ではなく、私たちのすぐ隣に潜んでいるリアルな脅威であるということです。そして、発疹という身体のサインを無視し続けていたら、もっと深刻な事態になっていたかもしれないという恐怖です。梅毒は放置すれば脳や心臓にまで影響を及ぼす病気ですが、早期発見さえできれば、今は完治させることができます。もし、自分の体に原因不明の発疹を見つけ、少しでも心当たりがあるのなら、プライドや恥ずかしさを捨てて、一刻も早く病院へ行ってほしいと思います。その一歩が、自分自身の未来と、まだ見ぬ大切な誰かを守ることに繋がるのです。
体に出た赤い発疹が梅毒だった私の告白