薬局の窓口で患者さんと接していると、花粉症の薬を毎月取りに来られる方と、三か月分まとめて持っていかれる方に分かれます。家計の負担を少しでも減らしたいと考えているのであれば、断然、後者の長期処方をお勧めします。その理由は、調剤報酬の仕組みにあります。薬局でお支払いいただく費用には、薬そのものの代金の他に、調剤基本料や薬剤管理指導料といった技術料が含まれています。これらは処方箋一枚ごとに発生するため、毎月一ヶ月分をもらいに来ると、三ヶ月間で三回分の基本料金を支払うことになります。しかし、一度に三か月分を処方してもらえば、これらの基本料金は一回分で済みます。具体的に三割負担の方であれば、これだけで数百円から一千円近い差が出てくるのです。また、三か月分という長期処方の場合、薬の量が増えるため、ジェネリック医薬品(後発品)への切り替えによる節約効果もより顕著になります。先発品とジェネリックでは、一錠あたりの価格が二倍から三倍近く違うことも珍しくありません。一ヶ月分では数百円の差でも、九十日分となれば二千円から四千円もの金額差が生じるケースもあります。さらに、お薬手帳を持参して、過去六ヶ月以内に同じ薬局を利用することで、管理指導料が安くなる制度も併用すれば、さらに十円単位での節約が可能です。患者さんの中には「三か月分も頼むのは申し訳ない」と遠慮される方もいらっしゃいますが、医学的に症状が安定しており、医師の許可があれば、私たちは喜んで対応いたします。むしろ、何度も足を運ぶ手間と交通費を考えれば、一括処方は非常に合理的です。ただし、注意点としては、一度に支払う金額が大きくなることです。三か月分のジェネリック抗ヒスタミン薬に加え、点鼻や点眼をセットにすると、自己負担額が四千円から六千円程度になることはよくあります。あらかじめお薬の概算を知りたい場合は、処方箋を出す前に薬剤師に相談していただければ、事前にお見積もりを出すことも可能です。また、領収書は医療費控除の対象になりますので、必ず保管しておきましょう。花粉症は数ヶ月にわたる長期の付き合いになる疾患ですから、このように調剤報酬の仕組みを賢く利用して、賢く節約しながら治療を継続していただきたいと思います。
薬剤師が教える花粉症の長期処方で家計の負担を減らす賢い方法