地域医療の最前線で花粉症治療にあたる内科医の先生に、三か月分の薬を一度に処方してもらうための条件とその際の費用感についてお話を伺いました。先生によれば、かつては一部の薬に十四日分や三十日分といった処方制限がありましたが、現在普及している多くの花粉症薬にはそうした一律の制限はなく、医師の判断で長期処方が可能になっています。しかし、無条件に誰でも三か月分もらえるわけではありません。最も重要な条件は「過去にその薬を使用して副作用がなく、効果が確認できていること」です。初めての患者さんや、新しい薬を試す場合には、万が一の副作用を確認するために二週間分程度の処方から始めるのが基本です。二回目以降の受診で、症状が安定していることが確認できれば、患者さんの希望や利便性を考慮して三か月分の処方箋を出すことは一般的になっています。費用面では、三割負担の患者さんの場合、診察代と薬代を合わせて三千円から七千円程度がボリュームゾーンになるとのことです。内訳としては、再診料や処方箋料として病院で支払う分が約六百円、薬局で支払う調剤料と薬代が二千円から五千円程度です。先生は「通院の回数を減らすことは、患者さんの感染症リスクを下げることにも繋がりますし、医療費の節約にもなるので、安定している方には長期処方を提案しています」と仰っています。ただし、重症の鼻詰まりがある場合や、喘息の既往がある方などは、こまめな経過観察が必要なため、長期処方が難しいこともあります。もし三か月分を希望される場合は、受診時に「毎年使っているこの薬を、シーズン分まとめていただけますか」とはっきりと意思を伝えることが大切です。また、最近ではオンライン診療を活用して、薬だけを郵送してもらう仕組みを整えている病院もありますが、その場合はシステム利用料や送料が別途かかるため、直接来院して三か月分受け取る方が、結果的には最も安上がりになるケースが多いようです。家計に優しく、かつ効果的な治療を続けるためには、医師との信頼関係を築き、自分の症状に適した長期処方のプランを相談することが、花粉症という季節の悩みを最小限のコストで乗り越える鍵となります。
医師への取材で分かった花粉症薬の長期処方が可能な条件と費用