毎年の恒例行事である健康診断の結果表が届いた時、私は自分の目を疑いました。これまでは全て基準値内だったのに、肝機能の項目だけが真っ赤な数字で埋め尽くされていたからです。特にγ-GTPの数値が以前の倍以上になっており、備考欄には「要精密検査」の文字が冷淡に印字されていました。私は決してお酒に溺れているわけではなく、晩酌も週に二、三回、適量を嗜む程度です。なぜ自分が、という当惑と、何か重大な病気が隠れているのではないかという恐怖で、その日は仕事が手につきませんでした。インターネットで「肝機能、何科」と検索すると、内科や消化器内科という言葉が出てきたため、私は翌日の午後半休を利用して、近所でも評判の良い消化器内科クリニックを受診することにしました。初めて入るそのクリニックの診察室で、私は緊張しながら健診の結果表を差し出しました。先生は私の顔色を見ながら、お腹の上から肝臓のあたりを丁寧に触診し、いつからこの数値が上がり始めたのか、最近変わったことはないかをじっくりと聞き取ってくれました。私は、仕事のストレスでここ数ヶ月、夜食が増えていたことや、運動不足が続いていたことを正直に話しました。先生は「肝臓は正直ですから、日々の小さな積み重ねが数値に出るんですよ。でも、画像でしっかり中を見てみないと確かなことは言えません」と仰り、その日のうちに血液検査と腹部超音波検査、いわゆるエコー検査を行ってくれました。暗い部屋でジェルを塗られ、モニターに映し出される自分の肝臓を見た時、先生が「少し肝臓が白っぽく写っていますね。これは脂肪肝の状態です」と説明してくれました。お酒だけが原因ではなく、栄養の過剰摂取が肝臓をフォアグラのような状態にしていたのです。その後、さらに詳しく調べるために血液でのウイルス検査も行われましたが、幸いにもB型やC型の肝炎ウイルスは陰性でした。結果として、私の肝機能異常は、食生活の乱れによる非アルコール性脂肪性肝疾患であることが判明しました。この一連のプロセスを通じて、私は「何科に行けばいいのか」と迷っている時間が一番もったいなかったと感じました。餅は餅屋、肝臓のことはやはり消化器内科という専門の医師に診てもらうことで、漠然とした不安が具体的な課題へと変わりました。先生からは、具体的な食事指導と、一日に三十分のウォーキングを提案されました。もしあの時、病院へ行かずに放置していたら、私は自分の肝臓が悲鳴を上げていることに気づかず、今も不健康な生活を続けていたことでしょう。専門医の診断を受けることは、単に病気を見つけるだけでなく、自分の生活を見つめ直し、未来の自分を救うためのきっかけになります。数ヶ月後の再検査で、少しずつ改善していく数値を眺めるのが、今の私の小さな楽しみになっています。